プライシングを考える際に大切なことは、売上げの拡大より利益の拡大を目指すことである。大口顧客への値引きや過剰なサービスの付加で注文を取ったとしても、実質的な利益は減少してしまうことがある。実質利益の最大化を目指す手法が、マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱するポケット・プライシングである。つまり企業のポケットに入る価格と利益を正確に把握しようという手法だ。この手法を手間なく実践するためのシステムが現在整いつつある。概念としてのポケット・プライシングはいまや実践フェーズに入った。本稿では、ポケット・プライシングにより利益流出要因を特定し改善することによって、実質的に企業の利益を増やす手法を紹介する。