-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
文化は「矯正」するものではない
組織がトラブルに見舞われた時、解決策としてよく挙げられるのが文化の矯正である。2014年にゼネラルモーターズ(GM)が大規模リコールで危機に陥った際、同社に必要なこととしてみんなが指摘したのがこれだった。それ以来、CEOのメアリー・バーラは説明責任を強化して将来の惨事を回避するための「適切な環境」づくりに注力している。
米国退役軍人省──連邦捜査官が有害な官僚組織と呼んだ組織──の傘下の病院で、退役軍人たちが何カ月も重要な治療を待たされていたことが判明した時も、ありとあらゆる評論家が同じ措置を求めた。同様に、警察の権力乱用や銀行の非倫理的行動など、考えつく限りの大規模組織の問題について、文化の改革が解決策だと提案されてきた。問題の原因にも解決策にもなるものとして、文化に視線が集まっている。
しかし我々がインタビューした企業リーダー──大規模な変革を成功させた現職および元職のCEOたち──は、文化は「矯正」するものではないと語る。彼らの経験によると、文化が変化するのは、難しい経営課題(たとえば時代遅れの戦略やビジネスモデルの改訂など)に対処するために新たなプロセスや体制を導入した後である。このような重要な取り組みに伴って、文化が進化するのである。