-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
「続けること」は事業の目的にはならない
編集部(以下色文字):事業を続けるという言葉のとらえ方はさまざまだと思います。約500年続く虎屋を率いる黒川さんは、続けるという言葉をどのように定義されますか。
黒川(以下略):あの会社は続いている。どうして続いているのだろう。そう言われる会社は、外部から見て中身や実態がわからなくても、「外ににじみ出てくるもの」があるように感じています。それは、会社そのものに躍動感があったり、会社で働く従業員がいきいきと働いていたりということです。事業が続くという視点で見た場合、この2つがあることが重要だと思います。それを前提にいくつかの要素が積み上がっていくことで、事業が続くといえるのではないでしょうか。
具体的な要素としては、いま、目の前にある仕事に誠実な姿勢で取り組むこと。新しい取り組みにも挑戦すること。虎屋の本分は、和菓子をつくってお客様に召し上がっていただくことです。食べておいしいと感じていただくこと、見栄えを美しくすることはもちろん、質の高い原材料を仕入れること、安全・安心という要素も必要です。どれか一つが欠けても、和菓子はつくり続けられません。