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「世界一明るい視覚障がい者」というキャッチフレーズをみずからにつけ、日々、障がいや病気を抱える就労困難者と向き合う成澤俊輔氏。「大丈夫」だという言葉を投げかけながら、彼らの就労を支援している。みずからも障がいや引きこもり、大病を経験し、紆余曲折を経たからこそ見えてきたものとは何か。
最近、私自身の強みを尋ねられる機会がありました。一人の人間として考えると「明るさ」「笑顔」と答えることができます。妻には「笑顔がいいよね。それには騙されるよね」とからかわれています。明るさと笑顔を武器にした「人を頼る図々しさ」もあるかもしれません。私は、みずから「世界一明るい視覚障がい者」というキャッチコピーをつけています。これは私の原点です。明るく生きたいという願望と、とはいえ人間なのでくよくよする時には、このキャッチコピーを思い出して明るいモードのスイッチを入れるのです。明るく生きれば、少しでも長く光が見えるかもしれないという願いも込めています。
ただ、最近は少し違った感覚が芽生え始めました。神様が「そろそろ光を暗くしても、お前は明るく生きていけそうだよ」と言っているような気がするのです。私は病気の進行が早いので、おそらく4年後の35歳までには完全に光を失うでしょう。その時に「世界一明るい視覚障がい者」と言えるのか。楽しみでもあり、私が人間としてのステージを上げられるかどうかのターニングポイントにもなると思います。