新米マネジャーやデジタル思考のマネジャーは、会社から与えられた権限を「自分の権力」と勘違いしている。その結果、急に居丈高になったり、管理者然と振る舞ったりする。要するに、権力の意味とその使い方がわかっていないのだ。ベテラン・マネジャーや賢いマネジャーは、権力を与えられているとはいえ、上司や部下、同僚などに依存しており、したがって権力は周囲から承認されて、初めて身につけられるものであり、これを取りつける方法こそ重要であるとわきまえている。本稿は、優れたマネジャーはどのように権力を身につけ、これをどのように行使して影響力を発揮しているのか、異なる26組織250人の管理職へのインタビュー調査に基づく知見である。