※ハーバード・ビジネス・レビュー編集部注(2023年8月4日):本稿は、撤回された学術論文を参照しています。
調和圧力の代償
どこで仕事をしようとも、私たちはいつも周囲と調和することを教えられる。現状を肯定し、他人の意見や行動に同調し、みんなの考えに合う情報は素直にそのまま受け入れろ、と。この圧力は、組織で出世の階段を上がるにつれますます強まる。幹部クラスになる頃には皆「調和」を徹底的に叩き込まれているため、組織は永遠に現状に従順なままになる。
筆者は最近、各種業界の2000人を超える社員にアンケート調査を行った。回答者の半数近くは、職場で周囲に同調する必要性をいつも感じており、回答者の半数超は、職場では誰も現状維持に異を唱えないと答えている。幹部クラスと中堅マネジャー層を対象にアンケート調査をした時も、似たような結果だった。この調査結果が示す通り、組織は意図的であろうと、知らずしらずにであろうと、社員に対して出社時には自分の本音にかなりの厚化粧をするよう強く求めているのだ。