人々の自発性を促し、その勤労意欲と業績を向上させるには、ダグラス・マグレガーが唱えた「Y理論」が有効であるとされる。この金科玉条は、知識社会の到来によって、いっそう支配的になっている。しかし、Y理論への過信がかえって業績低下を招くこともある。コンティンジェンシー理論の提唱者の一人、ジェイ・ローシュらは、2つの工場と2つの研究所を比較した結果、業務と組織と人材がフィットした時、人々の「センス・オブ・コンピタンス」への動機が高まり、その結果として業績が向上するのであって、Y理論は必ずしも万能ではないという結論を導き出した。