問題の再定義が
創造的な解決策を生む

 あなたの会社は問題解決にどれほど長けているのか。おそらくその答えは、「かなり長けている」だろう。

 筆者が研究した企業のマネジャーたちの回答も同様である。この研究では、17カ国の上場・非上場企業91社で働く106人の経営幹部を対象に調査を行った。すると、企業が苦労しているのは問題の解決ではなく、問題の洗い出しであることがわかった。「あなたの組織は問題の診断が苦手か」という問いに対し、優に85%の回答者が「そう思う」または「非常にそう思う」と回答した。また「その弱みのせいでかなりの損害が出たか」という問いには、87%が「そう思う」あるいは「非常にそう思う」と答えた。悪影響がないと答えたのは、10社当たり1社にも満たなかった。

 ここから見えてくるパターンは明らかである。マネジャーたちは行動を重視するあまり、問題を本当に理解しているかを確かめることなく、解決策を即座に探そうとしがちなのだ。