とりわけ任天堂の〈Wii〉の成功によって、日本でもブルー・オーシャン戦略への関心が再び高まりつつある。ところが、いまだレッド・オーシャン戦略との違いが理解されずにいる。そこで本稿では、まずマイケル・ポーターの競争戦略論と比較しながら、ブルー・オーシャン戦略の理論的背景を明らかにする。これによって、前者は市場を固定的にとらえたサプライ・サイド戦略であり、後者は市場を拡大させるデマンド・サイド戦略であることがわかるだろう。そして、従来の確率論的なイノベーション・アプローチと異なり、属人性を排し、組織的に取り組める体系的な方法論であることを、四つの導入ステップを紹介しながら説明する。