一般にはなじみが薄いが、ジェームズ・G・マーチといえば、社会科学の研究者であれば、だれもがその名を知っている。ハーバート・サイモンとの共著『オーガニゼーションズ』とリチャード・サイアートとの共著『企業の行動理論』はこの分野における古典的名著として名高い。マーチはインタビューのなかで、学問には、実用性よりも思想の美しさのほうが重要であると指摘する。また、リーダーシップ研究の学問的限界やジェンダー論の重要性について学術的創造性に富んだ意見を披露する一方、彼の共同研究の成果である「ホット・ストーブ効果」「愚かしさのテクノロジー」「ゴミ箱理論」について語る。