5000人を超えるインフルエンサーをネットワーク化
TAGPICは日本国内だけでなく、台湾、韓国、タイ、香港、中国など海外のインフルエンサーをネットワーク化し、キャスティング事業やSNSブランディング・コンサルティング事業、ブランド動画配信事業などを展開している。
アジア最大規模となる5000人を超えるインフルエンサーをネットワーク化しており、彼らのフォロワーを単純合算した延べ総リーチ数は、国内外で9億2000万人を超えるという。ブランド企業はこのネットワークを活用し、インスタグラム内でプロモーションを行うことで、既存のマスコミやウェブ媒体にはできない消費者へのリーチが可能となる。
早くから個の拡散力としてのインスタグラムに注目し、インフルエンサー・マーケティングの可能性を見いだしてきた安岡氏だが、そのきっかけは広告代理店時代にアパレルのD2Cブランド事業の立ち上げに携わり、読者モデルという、いわば当時のインフルエンサーを活用して世にトレンドを発信してきたことにあった。
インフルエンサー・マーケティング市場は世界的に急成長を遂げており、日本の市場規模は2019年に276億円、2020年には前年比22%増の327億円に上るとのデータもある(図表1参照)。なかでも中核を占めるのが動画共有サービスのユーチューブやインスタグラム。視覚に訴えるSNSのほうが消費者に好まれる傾向にあるようだ。それでも、まだ中国市場のわずか60分の1程度の市場規模しかない。大手ブランドのD2Cへの本格参入や、5Gの到来によるコンテンツの動画へのシフトが加速し、メディア中心から個の時代へのシフトが本格化すれば、急激に市場拡大する日もそう遠くないと、安岡氏は話す。
「ググる」から「タグる」の時代に
「もはやググる(グーグル検索をする)のではなく、タグる(#:ハッシュタグ検索をする)ようになったといわれるように、アクションを起こすための起点のプラットフォームとして、インスタグラムは圧倒的な支持を得ています。若い子たちがパンケーキを食べたいというときに、最近はネットの情報を検索エンジンで探すのではなくて、インスタグラム内で検索するケースが多い。たとえば『#原宿カフェ』で検索し、上位に挙がってきたなかでかわいいお店に行ったり、インフルエンサーが実際に行ったお店で自分もまねして写真を撮ったり、そういった行動様式に変化しています」
既存のメディアに比べて広告色が薄い点も、インスタグラムの大きな特徴であり、インフルエンサーが自分の目線で商品・サービスをリアルに表現することにより、情報の受け手であるフォロワーも“自分ゴト”化しやすく、購買行動につながりやすいのだという。購買メディアとしてのインスタグラムをまだ軽視しているブランドも多いが、近々ショッピング機能が強化されると公式に発表されており、また決済機能がいよいよ実装されるとの噂もある。今後、インスタグラムのテクノロジーがどう進化するのかに注目している、と安岡氏は語る。