グローバル製造業のブラジル参入は二〇世紀中頃に始まり、無理解な本国本社によって撤退した企業も一部存在するが、その多くが成功を収め、ブラジルの消費者の心をとらえている。また、ブラジル人たちは長時間労働もいとわず、外資や内資を問わず、高いコミットメントとロイヤルティを示している。とはいえ、政府の差別的な経済政策、非効率な公共部門、高い税率、資本市場の未整備など、新興国特有の課題も山積されたままである。しかし、生産基地としても、また消費市場としても、ブラジルほど外資に優しく、また可能性の高い国はない。