ロシアがWTO(世界貿易機構)への加盟を申請したのは一九九四年。現在のステータスはオブザーバーで、承認されるのはもはや時間の問題である。実際、規制緩和と内需拡大も手伝って、FDI(外国直接投資)は堅調に伸びている。ロシアの捲土重来はもはや間違いないが、かつてチャーチルが「謎に包まれた謎のなかの謎」と評したように、ロシアはつかみどころのなく、また心理的にも遠い国である。しかし、このチャンスを見逃す手はない。とはいえ、リスクも怖い。HBRロシアの編集長がロシアの光と影を紹介しながら、ロシアで事業展開するための心得を解説する。