部下の不安は
リーダーの態度で増幅する
ストレスと不安は広く職場に見られる問題であり、社員の勤労意欲、健康、生産性の低下をもたらすことが数十年にわたる科学的研究で示されている。不安の原因はさまざまであり、仕事と無関係な問題も含まれるが、共通して見られるのは職場特有のもの、すなわち不十分なリーダーシップである。
マネジャーやリーダーは、部下のストレスや不安の程度に直接影響を与える。上司の発言、感情、行動はチームメンバーの心身の健康に大きく影響する。職位が上のリーダーであればあるほど、良くも悪くも影響を与える可能性が高い。
しかし残念ながら、自分にそんな影響力があることを認識しているリーダーは極めて少ない。また多くの場合、リーダーシップスキルに自信過剰で、自己の能力に関する思い込みと現実の水準にズレが生じている。その理由から、善意からであってもうっかり部下の不安を煽る原因となったり、みずからの行動を修正、改善する能力が限られることになったりする。つまり自分は効果的に部下を導いていると思っているので、それを変える意味がわからないのだ。