「再起力」の不足が招く混乱
言うなれば、いまは「再起力」(レジリエンス)不足の時代である。世界はますます波乱に満ち、企業は復活を試みるものの、変化はそれ以上に速いスピードで進行している。これを裏付ける証拠はたくさんある。
まず昨今、大企業の倒産が増えた。過去20年間に起きた最大規模の倒産20件のうち、半分の10件はここ2年に集中している。また、企業収益は不安定性が高まり、スタンダード・アンド・プアーズ500の利益成長率の対前年変動率は、ここ40年間で約50%も上昇している。しかも、積極的に利益管理したにもかかわらず、である。
そして、業績の落ち込みが全体に蔓延しつつある。フォーチュン500のうち、5年間で純利益の50%減を経験した企業について調べたところ、1973~77年で、毎年平均37社がこのような減益に陥ったか、あるいはその渦中にあった。