不確実性を見通す
シナリオプランニングとは何か
新型コロナウイルス感染症の拡大がビジネスを大きく変えている。その変化は市場の需給に留まらず、企業や産業、社会の隅々にまで及んでいる。この先の未来をどう描き、経営戦略に落としていくのか。企業のリーダーはいま、こうした「未来の地図」を必死で考えていることであろう。
それでは、不確実性の高い中において、中長期の未来を戦略的に考えるためには、どのような手法があるのだろうか。
代表的なものが、シナリオプランニングである。1973年、石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルは、オイルショックを事前に予想したことで、下位であった石油メジャーの地位をいっきに押し上げた。この時に使われたのがシナリオプランニングであった。