企業の存在意義が問われている

 2020年4月、新型コロナウイルス感染症の拡大により、スターバックス コーヒー ジャパンは、全体のおよそ6割に当たる850店の休業を決めた。さらにその後、休業店は1200店以上に拡大した。他の外食・小売チェーンが営業を継続する中、地域のお客様と従業員(スターバックスでは「パートナー」と呼ぶ)の安心や安全を重視しての判断だった。

 それから約1カ月半後、自社で策定したガイドラインが業界ガイドラインの水準を超えることが確認できたため、店舗再開を決めた。レジや受け渡しカウンターにおける飛沫防止シールドの設置やソーシャルディスタンスの確保、パートナーの体調管理の徹底など、あらゆる対策を講じた。

 店舗再開の時、その日を待ちわびていた方々から多くの励ましの声をいただいた。SNSでは「#スタバ営業再開」がトレンド入りし、「お店の方に何かつくっていただくのは久しぶりで涙が出た」や「日常を戻してくれてありがとう」などという声が届いた。