マネジャーが再学習する
絶好の機会

 たとえパンデミック中であっても、マネジャーは従来通り成果を求められる。チームをうまく統率して業績を高めると同時に、部下の仕事や家庭生活も支援しなければならない。対面業務が求められている従業員であろうと、完全にリモートワークに移行している従業員であろうと、同じように手を差し伸べる必要がある。特に子どもを持つ従業員は、仕事と育児、子どものオンライン学習の監督とのやり繰りで悪戦苦闘している。

 新型コロナ危機のいま、自宅で子どもを見ている従業員をはじめとした、部下のマネジメントをもう一度学ぶことが、管理職にとって最も重要な課題の一つであることが、筆者らの調査で示唆されている。同時に、いまが再学習の絶好の機会でもある。適切に対処すれば、チームの健全性や文化、パフォーマンスを、いまだけでなく、将来にわたって高めることができる。

 そうした成果を上げるには、まずマネジャーであるあなたがどんなジレンマに直面しているかを把握しなければならない。また、あなた自身と部下たちが成果を上げられるように、的確な戦略──すなわち、予測可能性とフレキシビリティのバランスをうまく取る戦略──を採用することも必要だ。