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働く親につきまとう
やっかいな課題
「つらい」「罪悪感がある」「うまくいかない」「孤独だ」──。これらは、身につまされる言葉だろうか。働く親にとっては、どうやらそうらしい。ここ数年、働く親たちに対して一対一のコーチングをしていると、ほかのどんな言葉よりもこの4つの言葉を耳にすることが多くなっている。
新型コロナウイルスの感染が拡大する前ですら、そうだった。
仕事と子育ての両立は、働く親にたえずつきまとう、やっかいな課題だった。それがこの8カ月間で、危うい綱渡りさながらの状態になった。フルタイムで仕事をしながら、フルタイムで子育てをし、フルタイムで子どもの勉強を見なければならなくなったのだ。しかも、通常なら利用できる支援制度の助けを借りることもできない。
筆者のクライアントの一人は、初めての育児休暇が明けて職場に復帰した2020年3月から、育児支援サービスをいっさい受けることもできず、休むことなく働いている。彼女は働く親のご多分に漏れず、ふと考えてしまうという。彼女自身の言葉を借りれば、どのくらい「持ちこたえられる」だろうかと──。筆者がコーチングし、話を聞いた他の働く親たちも、第一線で働きながら子どもたちのオンライン学習を見るにはどうすればいいか、収入を維持しつつ、特別な配慮が必要な子どもを年中無休で世話するにはどうすればいいか、答えを見出そうとしている。