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仕事における幸せとは何か
景気が悪く、仕事があるだけでも恵まれているご時世なのだから、「うちの社員は幸せだろうか」などと気を揉むのは、取り越し苦労だと思われるかもしれない。知的満足感につながる高報酬の働き口を提供しているなら、なおさらだろう。しかしそれは、けっして取り越し苦労ではない。
我々が安定的に高業績を上げる組織の秘訣について調査したところ、「幸福感を抱く社員は、そうでない人と比べて長期にわたって高いパフォーマンスを上げる」ということが明らかとなった。欠勤が少なく、離職率が低く、求められた以上の働きをし、自分たちと同様に意欲の高い人材を引き寄せるのだ。しかも、短距離走よりもマラソン向きだといえ、すぐに息切れするようなことがない。
仕事での幸せとは何を意味するのだろうか。「満足」(contentment)とは違う。これは多少なりともぬるま湯を匂わす言葉だからである。我々はミシガン大学スティーブン M. ロス・スクール・オブ・ビジネスのポジティブ組織研究センターに所属する研究者たちとともに、個人や組織が長期的に高いパフォーマンスを上げる要因を探った。そして、「成功している」(thriving)という、よりよい表現にたどり着いた(囲み「我々の研究について」を参照)。