幸せな気持ちになるとパフォーマンスが高まる

 パーソナル・ケア製品を製造・販売するバーツビーズは2010年7月、大きな曲がり角にあった。すなわち、世界19カ国への進出に乗り出したのである。

 このように大きなプレッシャーがかかる状況では、何度も会議を招集して部下たちを閉口させる、あるいは急ぎの案件を山のように抱えているリーダーが少なくない。経営者がこうだと、社内は不安になり、それにより「扁桃体(へんとうたい)」と呼ばれる、脅威に対処する脳部位が活性化し、効果的な問題解決を担う「前頭前皮質」から大切な資源が奪われてしまう。

 しかし、当時バーツビーズのCEO兼社長であったジョン・リプルーグルのやり方は違った。