多くの企業が新たな成長機会を求めてM&Aに手を染める。当初はバラ色に見えたM&Aもいざふたを開けてみると、悪夢に変わってしまうことがしばしばである。M&Aが成長をもたらすケースが少ないのはなぜか。その原因は、自社の競争基盤を正しく理解できていないことだ。それゆえ、コア事業の将来に貢献するような案件ではなく、むしろ足を引っ張るような案件に手を出してしまう。大半が失敗する大型案件に心奪われてしまう理由もここにある。およそ20年間にわたる日米欧1700社の調査から、M&Aを検討するうえで考慮すべき競争基盤を類型化し、どのようにM&Aを活用すべきか、その実践手法を披露する。