営業と製造がぶつかる8分野

 メーカーの営業担当者は、製造現場の人々の活動や態度を嘆いて、こんな不満をよく漏らす。「どうして連中は市場志向や顧客志向になれないんだ」「どうしてこうも偏狭なんだ」

 他方、製造現場の人々もこのように文句を口にする。「営業の連中ときたら、コストや利益、工場や操業について、てんでわかっちゃいない。ほとほとまぬけな行商人だよ」

 消費財メーカー、特に商品ラインが多岐にわたるアパレル・メーカーや家具・什器メーカーなどでは、このようなコンフリクトを何度も経験しているだろうが、これら2つの職能間がまさしく協力しなければならないのは、とりわけ産業財メーカーである。

 「営業と製造が対立しやすい分野」は、とりわけ産業財メーカーにおいて、営業部門と製造部門のインターフェースを調整する際、一般的にコンフリクトが生じやすい8分野に関する一覧である。

 さっそく、これらの問題分野について一つずつ検討してみよう。

CONFLICT 1
生産計画と長期売上げ予測

 明日あるいは来週、いったいどのような商品をつくればよいのかといった日々頭をひねらなければならない問題はさておき、戦略を実現するうえで、営業、製造、両部門の協力が不可欠なのが「生産計画」と「長期売上げ予測」である。

 生産能力を変更するには、概して長期間かかる。もしその変更に新規もしくは拡張を要するとすると、設計と建設に数年かかることもある。新しい設備を追加するにも、ほとんどの業種において2年くらいはかかってしまう。