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組織がジェンダーダイバーシティを実現していることは、イノベーションにポジティブな影響をもたらす。この事実が証明されているにもかかわらず、IT業界におけるジェンダー平等の壁は高く、いまだに男性中心だ。本稿では、筆者らによる調査に基づき、自社を女性にとって魅力的な組織に変えて、ジェンダーバランスを改善するための2つの戦略を提示する。
同質的なチームよりも多様性のあるチームのほうが高い成果を上げられる。なかでもジェンダーの多様性は、テック企業の生命線であるラディカルイノベーション(根本的イノベーション)にポジティブな影響をもたらす。
バイエルに勤務する筆者らは、最高のチームは多様な人材によって構成される、つまり個々の違いを積み重ねた集合体がバイエルの成功の重要な要因だと固く信じている。
しかし、IT業界にとってジェンダー平等の壁は高く、大半の企業が実現不可能と感じている。
米国では、コンピュータと数理科学の職種で女性の占める割合はわずか26%、エンジニア系の職種では15%に留まっている。大半のテック企業がインクルージョンとダイバーシティに関するプログラムを用意しているにもかかわらず、技術系の職種における女性の割合はいまも平均24%だ。
このような数字は問題の深刻さを理解するのに役立つが、筆者らはデータドリブン組織の一員として、さらに踏み込んだ研究を行い、この問題が根強く残る理由を探った。