レジリエンスで危機に備える
猛烈な嵐が熱帯を襲ったら、建物は倒壊するかもしれないが、ヤシの木は大半が生き残る。ヤシの木は曲がっても折れない。レジリエンスがあるからだ。あなたの組織にも、同じことがいえるだろうか。
今日の不安定で不確実な世界において、企業はこれからも多くの危機に見舞われることだろう。自然災害は企業の資産を破壊し、オペレーションを混乱させる。サプライチェーンで人権侵害が発覚すれば、長年かけて築いた消費者からの信頼が崩壊する。敵対的買収によってビジネスの根幹が揺り動かされる。新たな競合企業やテクノロジーが業界を席巻する。世界的なパンデミックがすべてを一変させる。
本稿の筆者の一人であるポールマンは、10年にわたって巨大消費財企業ユニリーバを率いた。180カ国で事業を展開し、毎日数十億人が手にするブランドを持つ同社において、ポールマンと幹部らはあらゆる危機に最前線で立ち向かった。