危機が常態化する状況に
企業はどう対処するか

 危機的状況が常態化したこの新時代において、危機に備え、それを切り抜けていける専門性を身につけたCEOは一握りにすぎない。

 コミッテッド・トゥ・グッド(CTG)を率いるアリス・ラーファーは、そうした数少ないリーダーの一人だ。同社はアフガニスタンで設立され、ドバイに拠点を置く民間企業であり、人道支援コミュニティに専門人材の派遣やロジスティックスの提供を行っている。

 たとえば、私たちがラーファーと面識を得た2014年、CTGは自社の医療・救急サービスを構築したばかりで、世界保健機関は急増しつつあるエボラ出血熱に対処するため西アフリカでこのサービスを使用した。2006年の設立以来、同社の顧客には、ほとんどの主要な人道支援組織が含まれており、現在は26カ国で事業を展開している。2019年、ラーファーは名誉あるオスロ・ビジネス・フォー・ピース・アワードを受賞した。