優れたサービスがリピーターをつくる

 金曜日の夜のラスベガス大通りとその界隈一帯は、一種独特の輝きを放っている。

 総工費7億5000万ドルのミラージュ(ラスベガスのホテル)は、15分おきに爆音と共に噴火するベスビオ火山を売り物としている。その隣にあるトレジャー・アイランドでは、イギリスの艦船と海賊船が繰り広げる闘いを定刻ごとに観ることができる。大通りをさらに歩けば、ベラジオの湖があり、輝き踊る噴水ショーが通りかがりの観光客たちを魅了する。

 その一方で、ハラーズ・ラスベガスに招き寄せられる顧客は、その建物よりも提供されるサービスに圧倒される。にこやかな笑顔のドア・ボーイが顧客を出迎え、名前を呼びかけながら挨拶する。顧客はカジノに向かう間、混雑したロビーで煩わされることなくゲーム場へと進み、すぐにスロット・マシンを回すことができる。また、その台に内蔵されたカード読み取り機が顧客の接客担当者を決め、その担当者は顧客に何か不満がないか、適宜確認していく。