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イノベーションの成功と失敗を分けるもの
企業幹部は一貫して、イノベーションを自社の最優先課題の一つに挙げてきた。そして、これは彼らにとって最大のフラストレーションでもある。研究者らの推定によれば、イノベーションの70%から90%は失敗に至るという。この数字は、新たな組織構造、社内インキュベーター、ビッグデータ、さらにはAI(人工知能)を活用するようになっても、改善されているという証拠はない。
筆者らはこれまで、何百ものイノベーションの成功と失敗を研究してきた。そこには一つ、明らかなパターンがある。それは、本当に優れたイノベーションは、企業のパーパスを裏づけ、主要な関係者(顧客、従業員、サプライヤー、地域社会、投資家など、イノベーションの成果に重大な利害関係を持つ人々)のために相互価値を創造しているということだ。一方、イノベーションが失敗すれば、少なくとも一つのステークホルダー層を失望させ、そこで生じた対立が他のステークホルダーや製品に連鎖し、企業全体を危険にさらす可能性がある。
ステークホルダーが一人でもいれば、成功が遠のくのは言わずもがなだと思うかもしれないが、一つか二つのステークホルダー層を重視しすぎて、他のステークホルダーに目を向けず、失敗する企業は多い。