3. 注目されていない
寡黙な「働きバチ」でも、レイオフから身を守ることはできない。それどころか、注目されていないことで身を滅ぼすかもしれない。シニアリーダーが組織からどの役割をなくすかを決める時、あなたが誰なのか、何をしているのか、どのような影響を与えているのかを知らなければ、あなたの仕事は簡単に排除の対象になる。組織の変化やリストラの時には、目立つ存在になることで、見落とされたり過小評価されたりするリスクを軽減できる。
注目されることは、意思決定者にあなたの能力と影響力を認識させ、一種の雇用保障の役割を果たす。組織内のあらゆるレベルで注目を集めることで、あなたの貢献や業績を保証してくれる同僚やシニアリーダーと強力なネットワークを構築できる。また、どの役職に就いても成功できることをリーダーに示せる。意思決定者があなたのスキル、業績、貢献を明確に理解していれば、あなたのポジションを会社の成功に不可欠なものと考えたり、他の役割がなくなった時にチームをまとめる人材と見なしたりするかもしれない。
4. パフォーマンスの欠如
企業が予算を削減する必要がある時は、成績不振者を解雇する可能性が高い。特定の仕事を複数人でこなしている場合、レイオフはマネジャーにとって、フィードバックを増やしたり業績改善計画を立てさせたりといった困難な作業をせずに、ローパフォーマーを解雇する絶好の機会となる。
従業員は、マネジャーの認識がすべてであることを認識しなければならない。つまり、自分が素晴らしい仕事をしていると思っていても、マネジャーがそう思わなければ、成績不振者と見なされ、クビを切られる可能性があるのだ。そのため、従業員は業績評価期間中だけでなく、マネジャーに積極的にフィードバックを求める必要がある。フィードバックを受けたら、継続的に改善に努め、マネジャーがあなたのパフォーマンスが向上していることに同意しているかどうかを確認する。
5. オフショアリングとオートメーション
特定の職務のオートメーションやオフショアリングは、戦略的コスト、経済的コスト、運営上のコストや技術の進歩に基づいて決定される。企業は、専門知識の豊富な人材プールがある、人件費の安い国へのオフショアリングを選ぶかもしれない。また、給与、福利厚生、運営上の諸経費を削減するために、人間の労働力よりも効率的で正確であると証明された自動化技術を導入することもある。世界経済フォーラムの「仕事の未来リポート2023」では、どのような仕事が自動化され、人間とのやり取りが最小限に抑えられるようになるかを詳細に調査している。
レイオフの可能性から身を守るためには、市場の動向を常に把握し、自分の選んだ職業が将来的にオフショア化や自動化される可能性があるかどうかを見極めることが重要だ。場合によっては、米国を拠点とする企業では、オフショア人材や自動化されたプロセスを米国人マネジャーが監督することもある。このことは、管理職を目指し、オフショア化や自動化された仕事を通じて経験を積もうとしている若手にとって、さらなる課題となるかもしれない。
自分の仕事が将来的に自動化される可能性があることや、自分の職種がオフショア化される傾向にあることがわかったら、リスクが少なく、(いま以上ではないにしても)同じように充実した他の分野に移行するのに役立つ新しいスキルを身につける方法を見つける。たとえば、会社の他部署でストレッチプロジェクトを引き受けたり、副業としてコンサルタント会社を設立したりすることもできる。
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仕事と人間関係を通じて、貴重なチームメンバーであるという評判を築くことは、レイオフされるリスクを最小限に抑えるカギだ。リーダーシップや部門横断的なステークホルダーに、あなたの貢献度や組織にもたらす影響力、関連性を維持するためにスキルアップした状況を知ってもらうことで、あなたは不可欠な人材として位置づけられる。このような積極的なアプローチを取れば、レイオフが決定されるずっと前に、あなたの価値が認識されるようになるだろう。