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機能不全に陥っているミーティングをどう立て直すか
チームとのミーティングが機能不全と混乱に陥った結果、詰めの甘い決定が下され、課題がきちんと解決されず、自分もチームメンバーもやる気を失っていく。そのような経験があなたにもないだろうか。
エンジニアリング担当エグゼクティブに就任したばかりのスフィアは、ある時、いら立ちを覚えながらスタッフミーティングを終えた。出席者は、スフィアが提起した問題をきちんと理解しようとじっくり耳を傾けるでもなく、型にはまった解決策や提案(スフィアがすでに試したり検討したりしたものだ)に飛びついた。無関係な懸念を口にして議論を脱線させる者もいた。こうした発言は、「スフィアが言ったことをもとに考える」という前置きで始まることが多いが、スフィアが指摘した問題にはまったく無関係であることが多かった。手っ取り早い解決策が見つからない場合は、そのうち状況は改善すると言って、安心させようとする。スフィアは、自分が本当に必要としていることや、すでに試みたこと、あるいは自分の状態をチームが理解しようとしないことに、不快感を覚えた。
では、どうすればこのチームの機能不全に対処できるのか。あるコーチングセッションで、筆者がそうスフィアに尋ねると、「そんなことを考えて何になるのでしょう」と、スフィアはため息混じり言った。「みんな頷いて、何か言い合って、中身のない言葉を並べるだけです」
スフィアがチームミーティングで経験したようなことは、よく起こる。こうした組織は、「チーム」というより「グループ」と呼ぶべきだろう。メンバーは上司に対して責任を負うが、メンバー同士はお互いに対して責任を負わない。大局的な構図を忘れて、自分のサイロにこもって仕事をしていることが多い。それは、よく言っても非効率で、喜ばしくないものである。悪く言えば、文化的に有毒なスープの中でだらだらと働き、不十分なコミュニケーションとその結果の誤った意思決定によって、ミスをもたらす。
この課題は、一人では解決できない。スフィアは上司のヤニクにこの状況を相談し、筆者を加えて3人で、記憶に残り、効果的で部門横断的な会話をもたらす「無駄を削ぐほうが効果は大きい」道のりを編み出す6つの戦略を考案した。ミーティングを成功させるカギとなる要素は何か。それは好奇心だ。好奇心は、同僚に率直な意見を提供するよう促す。そして、お互いの仕事に関する知識のギャップを埋め、共通の目的を達成するために成すべきことを示す。好奇心は、それぞれの目的の壁を越えて人々を結束させる。