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認知習慣を理解して、組織にアカウンタビリティへの意識を育む
リーダーは、思いやりとアカウンタビリティ(結果に対する責任)のバランスを取ることを常に求められてきた。近年では振り子が両方向に大きく揺れる様子が見られる。
パンデミック初期には、多くの組織は従業員を優先し、柔軟性やメンタルヘルスへの補助などもろもろの支援を提供し、ストレスに満ちた時期を乗り切れるよう後押しした。
最近では金利とインフレ率が上昇する中、リーダーは方針を変え、福利厚生の一部を縮小し、従業員をオフィスに復帰させている。そして期限遵守や目標達成、収益増加といった結果をより重視するようになった。
この状況は、従業員、マネジャーと幹部に次のような疑問を抱かせている。個々人のニーズが依然として重視されていることを人々に実感させながら、ムチを打たずにアカウンタビリティを醸成することは可能なのか。思いやりか結果か、という二者択一の問題でなければならないのか。そして、組織の全階層にわたってアカウンタビリティを生む最も効果的な方法は何か、である。
筆者らが所属するニューロリーダーシップ・インスティテュートでは、アカウンタビリティに伴う認知プロセスを理解することで、これらの問いへの答えが見つかると考えている。引き受けた目標に対して真に責任を負いきる人の脳内で何が起きているのかを、筆者らはこの1年にわたり研究してきた。
アカウンタビリティへの健全な取り組みの根幹を成す認知習慣を理解することで、目標と焦点をより絞ったエビデンスベースの習慣活性化の方策を立てることができる。アカウンタビリティを「よく話題にされる優先事項」から、組織文化の豊かな構成要素へと発展させることが可能になるのだ。
アカウンタビリティの科学
人々はアカウンタビリティを2通りのいずれかとして認識することが判明している。リーダーがどちらのタイプを醸成するかが、チームのパフォーマンスを左右する。