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印象を損なわずに周囲の助けを得るには
仕事で新しいプロジェクトを任されたとしよう。ほとんどは自分の専門分野だが、使ったことのない新しいスキルが含まれている。まず計画をまとめようとリサーチを始めるが、すぐに行き詰まり、圧倒されてしまう。締め切りに間に合うかどうか、心配で頭がいっぱいになる。
もしあなたがこのような状況に置かれたら、次に何をするだろうか。筆者がコーチングしてきた多くの人と同じように考えるならば、おそらく「自分一人で何とかできるはずだ」と自分に言い聞かせながら、何とか乗り切ろうとするだろう。
はたから見れば、一人で何時間も格闘して不必要な不安を抱えるより、支援を求めたほうがよい解決策なのは明らかだ。「ただ助けを求めればよい」と言うのは簡単だが、それは、助けを求めることを考えるだけで生じる内面的な葛藤を考慮していない。どんなにキャリアを積んできたとしても、上司や同僚、チームに相談することで、自分に能力がないと思われたり、迷惑がられたりするのを恐れるのはよくあることだ。
オーナーシップと個人のイニシアティブを重んじる仕事の世界では、謙虚さと強さの微妙なバランスを取る必要がある。好むと好まざるとにかかわらず、どのように助けを求めるかによって、あなたに対する他者の認識が形成される。他人に頼りすぎていたり、能力が不足していたりするように見えると、同僚はあなたの能力や信頼性を疑うかもしれない。その憶測が不当なものであっても、だ。
一方で、あなたが自信を持って他者にアプローチすれば、相手はあなたが自信に満ちていて、現実的で、複雑な課題に潔く立ち向かう術を知っている人物と見なす可能性が高い。実際、あなたが思慮深い依頼をすれば、自分の限界を認識し、他者の専門性を評価していることが示されるため、人はあなたの能力を低く見るのではなく、より有能だと感じるという研究結果がある。
本稿では、強い立場で助けを求め、印象を損なうことなく必要なものを得る方法を紹介しよう。
強く切り出す
会話の切り出し方は、その後のすべての流れを決定づける。依頼を即座に台無しにしてしまい、その後に続く話が重要でないかのように感じさせる切り出し方をしてはいけない。たとえば、「お忙しいところ恐縮ですが」「お時間を取らせて申し訳ありません」「忙しいとは思いますが」といった言い回しは避ける。