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テクノロジー関連のリーダー職が大幅に増加している
この数十年ほどの間に、企業のCレベルにおけるテクノロジー関連の役職の種類は大幅に増加した。まず、1980年代前半にCIO(最高情報責任者)という役職が登場した。その後、テクノロジー企業でCTO(最高テクノロジー責任者)が一般化し、やがて他の業界にもこの役職が広がっていった。
それに続いて、最高情報セキュリティ責任者、最高データ責任者、最高アナリティクス責任者、最高デジタル責任者といった役職が登場した。そして、最も新しいところでは、最高AI責任者という役職も見られるようになった。この肩書きを持つ企業幹部の数は、ここ数年で生成AIの台頭とともに大幅に増加している。
このようなテクノロジー系の幹部職が乱立している状況は、ビジネスにおいてテクノロジーの重要性が高まっていることを反映した動きといえる。しかし、その一方で、目まぐるしい役職の増加は、混乱の原因にもなりかねない。
実際、本稿の筆者の一人(スペンス)が所属しているソートワークスと、マサチューセッツ工科大学(MIT)の「最高データ責任者・情報クオリティ・シンポジウム」の支援の下で最近実施された研究によれば、そうした混乱は深刻な問題であることが示唆されている。
266人のテクノロジーおよびデータ関連のリーダーたちを対象にアンケート調査を実施したところ、回答者の5人に4人以上は、テクノロジー関連の部署の役割分担をめぐる混乱を経験しており、データおよびテクノロジー関連のサービスと問題についてどの部署に相談すべきかが明確でない場合があると述べている。混乱がまったくないと回答した人は、全体の12%にすぎなかった。