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組織構造をいじっても戦略実行力は改善しない
優れた戦略、大ヒット商品、または技術的なブレークスルーによって、有力企業に躍進することは可能だ。ただし、戦略を確実に実行できて、初めてその地位を守り続けることができる。みずからの意図を実現する必要があるのだ。
残念ながら、大多数が自認するごとく、この能力に長けている企業はあまりない。我々は過去5年にわたり、数え切れないほどの人たち(そのうちの25%は執行役員クラス)に、自社の組織能力に関するオンライン評価に回答してくれるよう要請してきた。その結果、50カ国1000を超える企業、政府機関および非営利団体に所属する12万5000人のデータベースが出来上がった。
所属する組織の戦略実行力は低いと評価している社員は、実に6割に上った。つまり「戦略上および業務上の重要な意思決定が迅速に行動に移される」という記述に同意するかという質問に、半数以上が「いいえ」と回答したのである。
戦略実行力とは、手持ちの情報とおのれの利益に従って行動する社員たちが、日々積み重ねてきた無数の意思決定の産物である。我々はこれまで、経営コンサルタントとして250を超える企業に、より実効性の高い戦略実行力の習得を支援してきた。
その経験を踏まえ、経営陣が社員の行動に影響を及ぼすうえで欠かせない基本要素を特定した。それは以下の4つである。
・意思決定の権限を具体化する。
・情報の流れを改善する。
・適切に動機づける。