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我々は実はチームワークが苦手である
過去20~30年の間に、チーム礼賛論が幅を利かすようになった。アメリカのような独立志向がきわめて強い社会でさえ、ほとんどの人が「チームは素晴らしい」と信じて疑わない。
チームワークによって一人ひとりがより創造性を発揮し、より生産的に行動すると広く信じられているせいで、新たな課題に直面すると、リーダーは即座に「チームで事に当たるのがいちばん」と考えてしまう。
しかし、社会心理学ならびに組織心理学の専門家であるハーバード大学心理学部教授のJ. リチャード・ハックマンは、「早計である」と説く。チーム研究の第一人者でもある彼は「チームの知恵」について研究し、その疑問点を探ってきた。
ハックマンの知見に学ぶべく、HBRシニア・エディターのダイアン L. クーツがハーバード大学構内にある彼の研究室を訪ねた。
彼はインタビューのなかで、人がいかにチームワークを苦手としているか、明らかにした。彼の調査によると、多くの場合、チーム・メンバーたちの間では、チームの目的についてさえ意見が食い違っているという。
合意の形成はリーダーの仕事であり、チームの方向性を決めるに当たって、個人のリスクも職業上のリスクも率先して負わなければならない。さらに、だれをチームに入れるのか、どのようにチームを立ち上げるのかについて、リーダーの仕切りが悪いと、失敗する可能性が高くなる(囲み「チームワーク幻想」を参照)。