意思決定する時、我々は二つの方法論のうちいずれかを無意識のうちに選択している。統計学やゲーム理論に代表される「演繹合理主義的アプローチ」と認知心理学や社会心理学に代表される「経験合理主義的アプローチ」である。ただし、いずれのアプローチも分析してみると一長一短である。本稿では、二つのアプローチの長所と短所を解説し、これらを組み合わせ、止揚させる試みとして、「診断論的な意思決定論」をもう一つのアプローチとして提示する。