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売上高は実は「暗黒大陸」である
ソクラテスはいつも質問を発していた。これと同じように、売上高とりわけ総売上高についても、たえず吟味が欠かせない。
売上高は悲喜こもごもの物語かもしれないが、必ずしも企業の成長を示しているわけではない。そこから何らかの知見を得るには、売上げが生み出される個々の収益源までさかのぼらなければならない。
そこで我々は「SRS」(sources of revenue statement:収益源計算書)というツールを開発した。これは、売上げの源泉を個々に明らかにし、業績向上に向けて焦点を絞り、かつ的確な意思決定をもたらす。
多くの企業は、コスト削減をコア・コンピタンスと見ているようだ。シニア・マネジャーは、10%のコスト削減のために何をすべきかは心得ているが、売上高を10%成長させるとなると途方に暮れてしまう。
これは、「ニーバーの祈り[注1]」のごとく、経営陣には、自分たちで変えられることと変えられないことを区別する傾向が強いせいだろう。コストは前者に属し、成長は後者に属するというわけだ。
SRSは、そのような思い込みが間違っていることを明らかにする。このツールは1997年から2002年の間、着実に売上げと粗利益を2桁成長させた上場企業の研究から生まれた。
我々はこのような実績の背後にある戦略や経営方針を明らかにするために、これら企業の経営陣にインタビューし、証券取引委員会に提出された事業報告書を調べ、各社の業績をウォールストリートのアナリストと検討した。その結果、個々の収益源に関する診断情報さえあれば、成長をコントロールできることがわかった。