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高成長企業とは
過去20年間、目を見張るような成長を記録した企業は多い。経済圏ごとに見ると、北アメリカではウォルマート・ストアーズ、ヨーロッパではBPアモコ、アジアではトヨタ自動車、南半球ではニューズ・コーポレーションといった名前が挙がる。
さて、その売上げを最も効率的に株主に還元している企業はどこだろう。この答えを出すよう『ハーバード・ビジネス・レビュー』から依頼を受けた我々は、高成長かつ高付加価値を実現している企業、そして、低付加価値しか生み出していない企業のリストを作成する作業に着手した。
まず、1983年から2003年までの20年間で、絶対的な売上げ増を達成した企業を割り出した(83年からのデータが入手不可能な場合は、入手できた時点から計算した)。
次いで、売上げ増に応じて各社をランクづけした。さらに、時価発行総額から投下総資本を差し引いて、MVA(市場付加価値)、すなわち株主の投資額に付加された市場価値を示す金額を算出した。
そして、調査対象期間の終了時にMVAがマイナスになっている企業はリストから除外し、残った企業をMVAのスコアに応じてランクづけしたうえで、各社のMVAを2003年の売上げで割り、売上げをいかに効率的に株主価値に転換しているか、これを示す比率を求めた。
ここで再び、各社のMVA/2003年売上げの値に応じてランクをつけた。我々の考える「利益ある成長」を達成した高成長企業を総合的にランクづけするために、各社の売上げ増の数とMVA/2003年売上げの値を足し合わせた。その際、等しく加重値を与えた。合計の数字が低ければ低いほど、ランクが高くなる。
北アメリカとヨーロッパでは、MVA/2003年売上げの比率が0.144以上かどうかが、高成長かつ高付加価値を実現しているか否かの分かれ目になった。それ以下の企業はすべて、S&P400種株価指数の下位25%になると考えられる。アジアと南半球の企業は、時価発行総額が全体的に低かったために、MVAがプラスになっただけで高収益企業の仲間入りを果たした。
北アメリカの高収益企業
北アメリカのリストを見ると、トップを占める企業は小売り業から、医療サービス、メディア、コンピュータとその業種は多種多様である。