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相手に合わせて説得法を使い分ける
あなたにもこんな経験があるに違いない。会議を招集して、上司や同僚から重要な施策──たとえばハイリスク・ハイリターンのベンチャー事業への投資──に了解を取りつけようとした。どこにも隙のないロジック。完璧なデータ。そして熱のこもったプレゼンテーション。
ところが2週間後、「あなたの提案は却下された」という知らせが届く。非の打ちどころなど、どこにもないように思われたのだが──。いったい何が悪かったのだろう。
実にしばしば見られるのが、議論の中身に気を取られるあまり、メッセージの伝え方を誤るという失敗である。実際、情報の伝達方法が不適切だったために、誤った判断が下されることは少なくない。
我々の経験からすれば、工夫次第で、企画を通す可能性を飛躍的に高めることができる。まず、プレゼンテーションの対象者を見渡し、「ここでのキー・パーソンはだれか」を見抜き、その人物の意思決定スタイルに合わせて論理を組み立てるのである。
より具体的に説明したい。マネジャーはその意思決定スタイルによって、次のいずれかに分類できる。
(1)カリスマ
新鮮なアイデアや提案に接すると、当初は大いに関心を示すだろう。しかし最終的には、さまざまな情報を比較検討したうえで判断を下す。
(2)思索者