「コーチングの解説書は雲をつかむような話でいま一つ信用ならない」と思ったことがある読者は少なくないはずだ。たしかに、従来の日本企業組織の論理からは、コーチングを理解するのは容易ではなかっただろう。しかしそれは一つのコミュニケーション・スキルであって、それほど難しい話ではない。本稿ではそのコーチング理論を正しい認識から遠ざけている要因から、実践に当たっての考え方と心構えを、心理学的見地から解説する。