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多くの従業員が自分のリーダーを信頼していない
信頼は組織の成功にとって、かけがえのないコモディティだ。だが、それはとらえどころのないものでもある。最近の問題(急な政策変更や、経済の不透明感など)は、リーダーのプレッシャーを大きくする一方だ。このような逆風に直面しても、従業員の信頼という確固たる基盤があれば、企業は重要な優位性を得られる。これに対して、従業員の信頼がなければ、こうした嵐を乗り切るのは難しくなるだろう。
実際、現在は多くのリーダーが考えている以上に不安定な状況にある。2024年に米調査会社のガートナーが、被雇用者3500人以上を対象に自身が所属する組織に対する信頼を調査したところ、シニアリーダーを信頼すると答えた人は半分以下(48%)だった。全般的な環境の不安定性が近く改善する見込みはないことから、リーダーは当面の間、厳しい戦略的決定を下しながら、エンゲージメントが高く、リーダーに信頼を寄せる労働力をどうすれば維持できるかという、極めて重要な課題に直面するだろう。
筆者らの調査では、従業員からの信頼を得るためにリーダーが取るべき4つの重要なアクション(と避けるべき行動)が明らかになった。
リーダーへの信頼は従業員エンゲージメントに影響を与える
2024年のガートナーの「組織構造とリーダーシップ信頼調査」(Organization Structure and Leadership Trust)によると、シニアリーダーを信頼する従業員は、そうでない従業員と比べ、はるかにエンゲージメントが高く、信頼の有無が人材やビジネスの結果に大きな影響を与える可能性があることを浮き彫りにした。従業員エンゲージメントは、従業員が自分の組織や役割について、どの程度ポジティブまたはネガティブに捉えているかを示す指標である。本調査では0~100の尺度で測定した(0ポイントは強い離脱、100ポイントは強いエンゲージメントを意味する)。
コスト削減を例に考えてみよう。リーダーは経費節減のために人員削減を行い、効率改善のために組織再編を実行する責任がある。その決定は、立派な戦略目標に基づくことが多い一方で、信頼やエンゲージメントを低下させる。ガートナーの調査では、過去1年半の間に、従業員の役割やチームに影響を及ぼす形で人員削減や組織再編が行われた場合、従業員がシニアリーダーを信頼する可能性が大幅に低下することがわかった。
しかし、信頼を傷つけるのは変革そのものだけではない。リーダーがどのような姿勢で変革を体現し、それをどのように伝えるかも重要である。
従業員エンゲージメントにリーダーへの信頼が与える影響
ほとんどの従業員は、一貫性や信用性、そして自分が目にしてきたリーダーの行動に基づいて信頼を形成する。リーダーが信頼に値する行動を取らなけらば、急速に不信感が生まれ、組織全体に波及する。








