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ESGの取り組みが反発を招く時
多国籍企業は、投資家や規制当局、従業員から、事業を展開する地域に対してポジティブな社会的インパクトをもたらすよう、ますます強い圧力にさらされている。ESG(環境、社会、ガバナンス)を重視した機関投資額は、2026年には約34兆ドルに達すると予測されており、米国の主要企業の約9割がESGレポートを開示している現在、こうした圧力は企業戦略の中核を成すものとなっている。
しかし、ステークホルダーが「善行」として語られるものに対して深い懐疑心を抱いているアフリカなどの「フロンティア市場」においては、前向きな意図や華やかなインパクトレポートがあっても現地での支持が得られるとは限らない。なかには抗議活動やソーシャルメディアでの批判キャンペーン、政治的な反発を引き起こすなど、逆効果にさえなるプロジェクトもある。これは、企業と現地のステークホルダーとの間で、「真に意味のあるインパクト」の定義について根本的な乖離があることを示唆している。
ポジティブなインパクトをもたらそうとする取り組みが、なぜ時に現地の信頼獲得に失敗するのかを理解するため、筆者らの研究チームは6年間にわたるフィールド調査を実施した。この研究は最近、『ジャーナル・オブ・インターナショナル・ビジネス・スタディーズ』に掲載された。
研究では、東アフリカの7つのフロンティア市場(ブルンジ、コンゴ民主共和国、ケニア、ルワンダ、南スーダン、タンザニア、ウガンダ)に展開する外資系多国籍企業17社の子会社の動向を調査した。一次データについては、計853人を対象に実施したインタビューと、現地での綿密な観察に基づき、多国籍企業やNGOの駐在員および現地従業員、政府関係者、一般市民など、多様な視点から「インパクト」がどのように捉えられているかを把握することを試みた。重要な点として、研究チームは、東アフリカで実際に生活してきた深い経験を持つ現地のメンバーと、さまざまな文脈で多国籍企業を研究してきた外部のメンバーで構成されており、企業とホストコミュニティとの間に生じる緊張関係を双方の視点から捉えることができた。
調査の結果、最も成功している企業のマネジャーは、多くの企業が本社を置く先進国経済のステークホルダーとは異なる形で、フロンティア市場のステークホルダーがインパクトを評価していることを認識していた。貧困、教育、健康に関連する切実な社会課題に加え、現地政府の能力不足という背景から、人々は外資系企業に対し、単に優れた製品やサービスを提供するだけでなく、よりよい生活をもたらすことを期待していたのである。その結果、現地の人々は、企業がより広範な社会的インパクトに真剣に取り組んでいるかどうかを示すシグナル(企業が意図せず発している場合もある)に対して、非常に敏感に反応していた。
現地の支持を得るためのチェックリスト
筆者らは研究結果に基づき、外資系投資家が実際に具体的な社会的インパクトをもたらすために「有言実行」しているのか、それとも単に「口先だけ」なのかを現地のステークホルダーが判断する際に用いる手掛かりを明らかにした。こうした複雑な期待を実践可能なものにするため、筆者らはアフリカの「ウブントゥ」(UBUNTU:皆がいるから私がいる)という考え方に基づいた、覚えやすいチェックリストにまとめた。この言葉を選んだのは、研究に参加した多くのステークホルダーがインパクトについて語る際に示した、コミュニティ中心の考え方を反映しているからだ。






