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『現代の経営』
原題:The Practice of Management(1954)
【注】最新版は2006年刊行の名著集に収録。入手可。
『現代の経営』(現代経営研究会訳、自由国民社、1956)
新装版『現代の経営〈上・下〉』(野田一夫監修、現代経営研究会訳、ダイヤモンド社、1987)
選書『[新訳]現代の経営〈上・下〉』(上田惇生訳、ダイヤモンド社、1996)
名著集『現代の経営〈上〉』『現代の経営〈下〉』(上田惇生訳、ダイヤモンド社、2006)
主な内容
ドラッカー経営学の原典であり、世界初のマネジメント書。企業とそのマネジメントが社会の行方を左右することにいち早く注目し、マネジメントの本質を明らかにした。マネジメントの本質から経営管理者のなすべき仕事までが網羅されており、ドラッカー自身、総合性と読みやすさのバランスが成功要因だったといっている。
「顧客の創造」という言葉が初めて登場したのが本書『現代の経営』である。企業の機能はマーケティングとイノベーションの2つに尽きると断じた。シアーズやフォードなど生きた物語の中で事業の本質を学ばせている。
圧倒的に多くの経営者が、本書に背中を押されて事業をマネジメントしてきたと述懐している。
目次
〈上巻〉
序論 マネジメントの本質
第1章 マネジメントの役割
第2章 マネジメントの仕事
第3章 マネジメントの挑戦
第1部 事業のマネジメント
第4章 シアーズ物語
第5章 事業とは何か
第6章 われわれの事業は何か
第7章 事業の目標
第8章 明日を予期するための手法
第9章 生産の原理
第2部 経営管理者のマネジメント
第10章 フォード物語
第11章 自己管理による目標管理
第12章 経営管理者は何をなすべきか
第13章 組織の文化
第14章 CEOと取締役会
第15章 経営管理者の育成
〈下巻〉
第3部 マネジメントの組織構造
第16章 組織の構造を選ぶ
第17章 組織の構造をつくる
第18章 小企業、大企業、成長企業
第4部 人と仕事のマネジメント
第19章 IBM物語
第20章 人を雇うということ
第21章 人事管理は破綻したか
第22章 最高の仕事のための人間組織
第23章 最高の仕事への動機づけ
第24章 経済的次元の問題
第25章 現場管理者
第26章 専門職
第5部 経営管理者であることの意味
第27章 優れた経営管理者の要件
第28章 意思決定を行うこと
第29章 明日の経営管理者
結論 マネジメントの責任
登場する主な企業・組織
フォード、GE、シアーズ、GM、AT&T、IBM、ジョンソン&ジョンソン
登場する人物
ジョゼフ・シュンペーター、ヘンリー・フォード、トーマス・ワトソン・ジュニア
取り上げられているコンセプト、理論、手法
目標管理、マーケティングとイノベーション、オペレーションズ・リサーチ
すべてはここに書いてある「マネジメントの原点」
『現代の経営』は、ドラッカーが書いた初めてのマネジメント書です。『企業とは何か』を書いたあと、ドラッカーは自分がコンサルティングが得意なことを発見し、さまざまな企業の相談相手として活躍をしていきます。
ドラッカーが「産業が中心になる社会は成立するか」という問題意識を持ちつつ『企業とは何か』を書いているとき、マネジメントについての本は一冊もありませんでした。コンサルティングを始めてからも、関係のありそうな論文や本にはすべて目を通し、何か役立つものがあるのではないかとキョロキョロしていました。しかし、本はもちろん、その分野をフォローする研究者もいなかったのです。
なぜでしょうか。それは、マネジメントがサイエンスではないから。量やデータを分析したのではマネジメントは語れないからでした。
「私はいつも同じ状況に直面した。すなわち、マネジメントの仕事、機能、課題についての研究、理念、知識に関する文献はほとんど存在せず、いくつかの断片と専門的な論文があるにすぎなかった。そこで私は、じっくり腰を下ろして、この暗黒の大陸たるマネジメントの世界の地図を描き、欠けているために新たに生み出さなければならないものを明らかにし、すべてを組織的、かつ体系的に一冊の本にまとめようと決心した」
こうして、ドラッカーは、ないのなら自分で書いてしまおうと決心します。それが『現代の経営』でした。
今でも、マネジメントに関する本の中でどれか一冊だけ読むならばこれと語る財界人は多く、第二次世界大戦後の世界の繁栄を支えた一冊といってもいいでしょう。
かの有名な言葉、「顧客の創造」が初めて登場したのも本書です。
「企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。企業の目的は、それぞれの企業の外にある。企業は社会の機関であり、目的は社会にある。したがって、企業の目的として有効な定義は一つしかない。顧客の創造である」
私の知人にも、こんな思い出を語ってくれた人がいます。大学を卒業したとき、役人にもなれたし、大学の先生にもなれた、しかし悩んだ末、企業に入ることを選びました。そして就職後も悩んでいたとき、『現代の経営』第1章の冒頭の一文を見て、自分の選んだ道は間違っていなかったと確信したというのです。
「マネジメントとは、事業に命を与えるダイナミックな存在である。そのリーダーシップなくしては、生産資源は資源にとどまり、生産はなされない」
とくに日本の場合、戦後の躍進を支えたのは企業であり、企業人でした。しかも企業人一人ひとりが、今わが国はどういう状況にあるのか、欠けていることは何か、何をしなければならないかを考え、企業もそれを踏まえて事業計画を定めていました。
私が就職した経団連は、その種のことばかりを考えていました。作家の山崎豊子さんが取材のため経団連の会議室をのぞいたとき、天下国家を論ずる企業人たちのあまりの真剣さに驚いたという話もあります。
実は、ドラッカーの書いたものが常にベストセラーになったのも、そのような事情が背景にあったからでした。
日本の面白いところは、企業と役所が協力関係をもって進んでいったことです。フランスやドイツ、アメリカなど世界のどの国にも、そうした文化はありません。企業と企業、企業と政府がときに火花を散らしあいながら、緊張した協力関係を築いていく。ドラッカーが日本に対して期待をしていたのは、こうしたことをすべて知っていたからです。
『現代の経営』は、企業人に勇気を与えてくれる一冊です。マネジメントに必要なことはすべてここに書いてあるといっても過言ではありません。
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