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『断絶の時代』
原題:The Age of Discontinuity(1969)
【注】最新版は2007年刊行の名著集に収録。入手可。
『断絶の時代——来たるべき知識社会の構想』(林雄二郎訳、ダイヤモンド社、1969)
『断絶の時代——いま起こっていることの本質』(上田惇生訳、ダイヤモンド社、1999)
名著集『断絶の時代』(上田惇生訳、ダイヤモンド社、2007)
主な内容
あらゆるものが、あたかも群発地震のように動き出した。地底の奥深くでプレートの移動が起こっているに違いない。ドラッカーはこのプレートの移動を断絶としてとらえた。1965年頃に始まったこの転換期は、2025年頃まで続く。
サッチャー民営化の教科書にもなったこの大ベストセラー『断絶の時代』は、いまなお示唆に富んでいる。大変動のクライマックスは、まだこれから先のことだろうからだ。
ドラッカーはなぜ、変化を察知できるのか。本書『断絶の時代』では「歴史は循環する」「しかし内容はより高次のものとなる」と述べている。
目次
第1部 企業家の時代
第1章 継続の時代の終わり
第2章 新産業の誕生
第3章 方法論としての企業家精神
第4章 経済政策の転換
第2部 グローバル化の時代
第5章 経済のグローバル化
第6章 途上国の貧困
第7章 経済学の無効
第3部 組織社会の時代
第8章 多元化した社会
第9章 多元社会の理論
第10章 政府の病い
第11章 組織社会に生きる
第4部 知識の時代
第12章 知識経済への移行
第13章 仕事の変化
第14章 教育革命の必然
第15章 問われる知識
登場する主な企業・組織
IBM、AT&T、GE、フォルクス・ワーゲン、フィリップス、ソニー
登場する人物
J. K. ガルブレイス、ヘンリー・フォード、アルフレッド・スローン、レスター・ブラウン、岩崎弥太郎、渋沢栄一、ジョン F. ケネディ、エーリッヒ・フロム
取り上げられているコンセプト、理論、手法
知識経済、グローバル経済、多元社会、コミュニティ
ベストセラーの理由はタイトルにあり
歴史は数百年に一度、大きな転換を迎えます。『断絶の時代』を書いたとき、ドラッカーには歴史の大きな断絶が見えていました。まるで地底の奥深くでプレートが動き出したように、時代は大転換期へと突入していったのです。
ドラッカーは、断絶は4つの世界で起こるとしました。
第1に、新技術・新産業が生まれます。同時に、今日の大産業が陳腐化し斜陽化します。
第2に、世界経済の構造が変わります。世界は一つの市場としてグローバルなショッピングセンターになります。
第3に、社会と政治が変わります。社会は多様な組織から成る組織社会となり、中央集権政府に対する幻滅が広がります。
第4に、知識の位置づけと内容が変わります。知識が最大の財産となります。
ドラッカーは、社会の問題は政府の手では解決されないと考えました。しかし、一人ひとりの個人が動いても不可能です。人と人がともに働く組織の力によってのみ可能となるのです。さまざまな組織が併存する、組織社会の到来です。
本書『断絶の時代』では、イギリスの保守党が政策綱領に入れ、サッチャーが推進した政府現業部門の民営化の構想が発表されています。民営化の動きはのちに、日本をはじめ世界中へと広がっていきました。
ここで示された言葉は、まるで今日の日本のことかと思うほどです。
「われわれは、巨大ではあるが無能な政府をとるか、それとも意思決定と方向づけに専念し、実行を他の組織に委ねるがゆえに強力な政府をとるかという、選択の問題に直面している」
案の定、本書『断絶の時代』は世界のみならず日本でも圧倒的な支持を受け、すぐにベストセラーになりました。なんと出版社の社屋に「断絶ビル」という呼び名がついたという話もあります。それほど受けた理由の一つは、タイトルの秀逸さにあるのではないでしょうか。
原書名は、The Age of Discontinuity。普通に訳すならば「非連続の時代」、それを訳者の林雄二郎さんは「断絶の時代」と訳したのです。この時代にぴったりの、何ともドラマチックな響きではありませんか。もし『非連続の時代』というタイトルだったらビルは建っていなかったと思うのです。
私は本書『断絶の時代』を、刊行後まもなく一読者として読みました。そのときの本を見ると、あちこちに赤線が引かれ、びっしりと書き込みがしてあります。自分でも呆れてしまうほどです。
その後、私は本書を1999年に訳し直す機会に恵まれました。訳し直す際、私は訳語をすべて見直します。なぜなら、言葉は生きているものだからです。しかし、やはりあの「断絶」という言葉だけは変えることはありませんでした。
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