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排出削減への投資をサプライヤーにも促すには
サプライチェーンの脱炭素化は、かねてより重大な課題に直面してきた。それは、「誰も買わないかもしれない排出削減イノベーションに、どうやってサプライヤーに投資するよう促すか」である。
だが、企業の脱炭素化目標は需要のシグナルとなりうる。サプライヤーが将来性のある気候変動対策を支援し、それを拡大する上で必要とするシグナルだ。ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)助教授のシャーリー・ルーの調査によると、企業がこうした目標を公表すると、たとえその目標が野心的でも(つまり絶対達成できる安全な目標でなくても)、サプライヤーが賛同して、強力な波及効果をもたらすことがわかった。
実際、企業が気候目標を発表すると、サプライヤーが気候関連の製品やサービスに関与する可能性(新規契約によって算出)は、1社目の発表後は1.9ポイント、2社目の発表後はさらに1.4ポイント上昇する。潜在的には世界で数百万社に達するかもしれないサプライヤーに気候変動対策への投資を促すことは、気候変動に対処する強力な方法になりうる。
「たとえ一握りでも、サプライチェーンの中心に位置する大手顧客は、システム全体の変化を牽引できる」と、ルーの研究チームは7月に公開したワーキングペーパー『サプライチェーンを調整する需要シグナルとしての排出目標』(Corporate Emissions Targets as Demand Signals for Supply Chain Coordination)で述べている。
大企業の環境インパクトは、規制当局やアクティビスト投資家、そして気候変動に敏感な消費者の注目の的となってきたが、多くの業界のサプライチェーンも大量の温暖化ガスを排出してきた。米政府は環境規制を緩和してきたが、大手企業は依然としてサプライヤー(多くの場合は中小企業で、直接規制の対象にならないことが多い)を通じて、変革に拍車をかけることができる。
ルーは、カリフォルニア大学バークレー校ハーススクール・オブ・ビジネスの助教授であるショーン・キムとHBS博士前期課程に在籍する研究員のリン・リン、および同博士課程に在籍するフランチェスコ・トリポリと共同で論文を執筆した。
8000件の気候目標発表を分析
研究チームは、金融情報会社ファクトセット(FactSet)の過去20年以上の逆サプライチェーン関係データから、世界中の企業の約560万件の契約年度ごとの観測データを抽出した。そして最近の研究手法を活用して、細かく調整をほどこしたAIモデルを使うことで気候関連契約を特定した。
気候規制の強化や、排出量削減に向けた業界のアクションといった一般的なトレンドのために、需要シグナルのインパクトを明確に把握するのは困難だったとルーは語る。







