社外から採用した即戦力リーダーがCEOになれない理由
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サマリー:CEOの後継者候補として社外から採用されたシニアリーダー(ラテラル採用者)の多くは、実際のところ、十分な成果を出しながらもCEOへの昇格を果たせていない。その原因は能力不足ではなく、組織を体現・代表する権利である「正当性」の欠如にある。本稿では、ラテラル採用者が正当性を獲得し、CEO候補へと登りつめるために組織が講じるべき4つの移行プロセスについて紹介する。

社外から採用した後継候補者はCEOになれていない

 企業の取締役会は、CEOの後継者候補となる人材を確保するために、シニアリーダーを社外から採用することがよくある。社内の人材が限られている場合、他社で実績のある事業部門長や地域CEO、CFO、あるいは実務部門の責任者を、CEOよりも1~2段階下のポジションに招き入れるのだ。

 その理屈は単純明快だ。いまのうちにリーダーシップの層を厚くして、将来のCEOの選択肢を増やそうということである。しかし、こうしたエグゼクティブの多くが、実際にCEO候補として頭角を現すことはない。

 彼らは、採用された役割を立派に果たす。結果も出す。優れた評価も得ている。だが、数年後に後継者選びの話し合いが始まった時、彼らをCEOに推す声は弱い。取締役は、彼らをCEOとしてイメージできない。同輩のエグゼクティブたちも、次期CEOに推すことを躊躇する。彼らの支持が盛り上がることはない。

 これは能力の問題だ、とほとんどの組織は説明する。そのエグゼクティブでは、その会社を率いるのに必要な広い視野や判断力、リーダーシップが欠けていたというのだ。だが、多くの場合、別の要因が働いている。そのエグゼクティブは能力を示したのに、正当性を獲得できなかったのだ。

 能力とは、「この人物はこの会社を率いることができるか」だ。

 正当性とは、「この人物が会社を代表する権利を獲得した、と同僚たちは思っているか」である。

 長年在籍してきた社内出身者の場合、この2つは同時に育まれることが多い。社外から採用した者の場合は、そうでないことが多い。エグゼクティブは極めて有能で、広く敬意を集めていても、組織を信頼に足る形で代表する人物とは見なされないことがあるのだ。

 ほとんどの会社の後継者育成システムは、能力を体系的に管理するが、正当性の獲得は偶然に任せる。この見落としこそが、社外で成功を収めたエグゼクティブの多くが、現実的なCEO候補にならない理由の一つだ。筆者は、後継者計画について取締役会やCEOに助言する中で、このパターンを繰り返し見てきた。

後継者計画で見落とされている側面

 ほとんどの後継者育成の枠組みは、候補者を社内と社外の2つのカテゴリーに分ける。

 社内候補者は、長年にわたり信頼性や人間関係、組織内での認知度を築いてきた。取締役会は、こうした候補の長所と短所を把握しており、同僚も彼らの実績を知っている。したがって、正当性があると総じて見なされている。

 社外候補者、つまりCEO職にいきなり登用される人物は、異なる基準で評価される。組織は、彼らが社内にない能力をもたらすかどうか、また、彼らが戦略的なニーズに対応できるかどうかを評価するのだ。

 社外からCEOの下位ポジションに登用され、将来のCEO候補として育成される候補者(採用担当者が「ラテラル採用」と呼ぶグループ)は、居心地の悪い宙ぶらりんの状態に置かれる。

 厳密には、彼らもいまは社内の人材だ。だが、在勤期間が短いため、その会社のコミュニティでは社内人材とは見なされない。