ビッグデータ活用で大きな役割を担うとされるHigh-Performance Analytics(HPA)。SAS東南アジアのプロダクト・マーケティング・マネジャー、Vincent Cotte氏は、HPAは旧約聖書に登場した少年ダビデのような小規模企業でも、巨人ゴリアテ(大企業)と同じ土俵で戦える強力な武器であると説き、HPA活用のアプローチを紹介する。

ビッグデータが価値を生みだすには
どのくらいのデータ容量が必要?

 ビッグデータの価値は、誰でも手を伸ばせば届くところにあります。それは、顧客情報のさらなる掘り下げかもしれませんし、あるいは顧客との対話記録といった非構造化データをHadoopで処理することで顧客プロフィールをより深く把握することかもしれません。

 ビッグデータに関する記事や広告の多くは、ビッグデータの3つのV:Velocity(速度)、Variety(種類)、Volume(量)について語っています。しかし、ビッグデータ活用はビジネスプランありきであるということを忘れないでください。目まぐるしく変化する価値をどう引き出しビジネスに役立てるか、そこが本質なのです。

ビッグデータ×High-Performance Analytics
=4つめのV「Value(価値)」

 ビッグデータの時代、より早いレスポンスが求められる中で、洞察を得るための最良の手段として期待されているのが、High-Performance Analyticsです。いかに早く関連性のあるデータを引き出し、リアルタイムに情報を届けられるかということが肝要なのです。

High-Performance Analyticsは、旧約聖書に登場した少年ダビデのような小規模企業でも、巨人ゴリアテ(大企業)と同じ土俵で戦うための強力な武器となります。例をあげてみましょう。

・銀行で、数時間かかっていた信用リスク評価が数秒で行えるようになる。
・官公庁で、構造化されていない国民の対話データを分析し、社会福祉の改善を図る。
・保険会社で、国勢データを利用してキャンペーンのレスポンス率を向上する。
・オンラインビジネスにおけるキャンペーンターゲットの絞り込みの改善に、ソーシャルデータを分析して得られた市場の意見、行動を利用する。

次のページ  小規模企業でもビッグデータの恩恵を受けられる理由»