クリス・アンダーソンの『フリー』でも語られているように、無料サービスが爆発的に増え、「無料顧客」の存在に注目が集まるようになった。無料顧客は、直接的に売上げを生み出さないため、軽視されがちだが、実は事業の成功のカギを握っている。無料顧客を戦略的に活用するには、まずその「顧客生涯価値」(CLV)を測定する必要があるが、多くの計算モデルがほとんど役に立たない。筆者らが開発したモデルでは、ネットワーク効果を考慮したうえで、無料顧客のCLVやその影響力について測定でき、最適なマーケティングやプライシングの選択が可能になる。