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不況後の消費者トレンドを予測する
ほとんどの経済先進国において、不況前の消費者行動は、15年以上にわたって続いた好況の産物といえる。経済は、時折陰りが生じることもあったとはいえ、終始右肩上がりで、物価の上昇も小幅で安定していた。資産価値と所得がそれを上回るペースで上昇したことで、消費者は経済成長の恩恵を実感できた。
1995年から2005年にかけて、実質可処分所得は、アメリカとイギリスで約30%増、スウェーデンとデンマークで約25%増、これらの国々よりも経済成長率の低い日本とドイツですら約10%増加した。
このような経済環境のなかで、消費者に大きな変化が生じた。さまざまなニーズが生まれ、これに応える市場が次々に誕生した。また消費者にも、目新しい製品や技術に興味を示したり、気持ちが豊かになるような経験に(あるいは単に楽しむためだけに)お金を使ったり、贅沢品に散財したりする経済的余裕もあった。多少割高でも社会的意識の高い商品やサービス──あまりほめられたものでなくとも、価値があると思えば、手を出すこともあった──を購入したりもした。
今回の不況によって、このような浮かれ騒ぎにもピリオドが打たれ、みな我に返ったというわけではない。しかし、いくつかの消費者トレンドがいっきに台頭し、一方これら以外のトレンドは失速、消滅、あるいは反転しており、不況期そして不況後において消費者行動に大きな影響を及ぼすだろう。
我々が何十種類もの消費者トレンドを追跡したところ、今回の不況によって大きく影響されるであろう8つのトレンドが明らかになった。