エスノグラフィーが顧客の真の姿を描き出す

 2006年、欧州屈指のビール会社(仮にビアコと呼ぶ)はバーやパブでの売上減少に直面した。精力的な市場調査と競合他社分析を行ったが、原因はわからなかった。

 同社の中核商品である定番のラガー・ビールは愛好者も多く、販売店での売上げは上向きだった。しかし、なぜかバーでは売れない。バーでは何かが足りないのだ。積極的な販促活動も実施したものの、効果はなかった。

 何が問題だったのだろうか。